10月27日(月)~11月5日(水)に開催いたします第38回東京国際映画祭におきまして、映画祭の顔となるコンペティション部門の審査委員長が決まりましたので下記にて報告をさせて頂きます。
今年の審査委員長はカルロ・シャトリアンさんに決定しました。
カルロ・シャトリアンさんは映画評論家としてエッセイや論文を多数発表しながら、イタリア各地の映画祭でプログラマーを務め、2013年から2018年までロカルノ国際映画祭、2020年から2024年にはベルリン国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを務めました。ベルリン国際映画祭の在任中にはそれまでの「男優賞」「女優賞」を廃止し、性別の区別のない「最優秀主演俳優賞」「最優秀助演俳優賞」を新設しました。この刷新は、映画界における多様性(ダイバーシティ)と包括性(インクルージョン)をリードする動きとして他の国際映画祭にも大きな影響を及ぼしました。また、過去には日本のアニメーションに関するプログラムのキュレーターとして、書籍やレトロスペクティブ、展覧会を企画したこともあり、東京国際映画祭にも何度も来日している日本通でもあります。
国際映画祭界を牽引し続けてきた同氏がどのような目で東京の映画を審査するのか、どうぞご期待ください。
■カルロ・シャトリアンコメント
このたび東京国際映画祭の審査委員長を務めることを大変光栄に思います。本映画祭は、新たな方向性のもと、世界水準の映画芸術にとって重要な出会いの場となっています。このような場に参加する機会をいただき、安藤チェアマンと市山プログラミング・ディレクターに感謝します。ここに選ばれた映画を鑑賞することを楽しみにしています。きっと、フィルムメイカーたちの作品に心を動かされ、刺激を受けることでしょう。そして審査委員の仲間たちと知り合い、豊かで実りある会話を交わせることにも期待しています。
■東京国際映画祭チェアマン 安藤裕康コメント
シャトリアン氏は、映画評論家としてはもちろんのこと、ロカルノやベルリンの映画祭のディレクターとして幅広く豊かな経験をお持ちです。最近も2021年と2023年に東京国際映画祭に参加して頂き、その鑑識眼と映画への情熱を目の当たりにすることができました。世界が大きな変革期に差し掛かる中で、作品の審査を通じてどのような視点を提示いただけるか、楽しみにしています。
◆カルロ・シャトリアン プロフィール
1971年トリノ出身。ジャーナリスト、作家、プログラマー。映画評論家として雑誌に執筆。フレデリック・ワイズマン、エロール・モリス、ナンニ・モレッティに関するエッセイや論文を多数発表する傍ら、学校や教育機関で映画コースを運営する。またイタリアの新聞「ラ・スタンパ」にコラムを寄稿。イタリアのアルバ映画祭、フェスタ・ディ・ポポリ(フィレンツェ)、ヴィジョン・デュ・リール(スイス)のプログラマーを務めたのち、2009年には日本のアニメーションに関するプログラムのキュレーターとして、書籍やレトロスペクティブ、展覧会を企画した。その後、2013年から2018年までロカルノ国際映画祭、2020年から2024年までベルリン国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを務めた。現在は、トリノの国立映画博物館の館長を務めている。米国アカデミー賞®とイタリア映画アカデミーの会員。