2025.11.05 [イベントレポート]
「筋肉俳優って、映画に出続けるとどこかで人以外と戦わなきゃいけなくなる宿命があるんですよ」11/3(月祝)トークショー『悪魔祓い株式会社』

悪魔祓い株式会社

©2025 TIFF

11/3(月・祝)、ガラ・セレクション部門『悪魔祓い株式会社』上映後、ジャガモンド斉藤さん(映画紹介人/お笑い芸人) をお迎えしたトークショーが行われました。
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司会:奥浜レイラさん (以下、奥浜さん):今日は、主演のマ・ドンソクさん(愛称:マブリー)を推している方をゲストにお招きして、日本で最速上映となるこのプレミア上映後にお話をたっぷり伺っていきたいと思います。
 
ジャガモンド斉藤さん(以下、斉藤さん):ありがとうございます。お邪魔します。よろしくお願いします。すごい、上まで!広いですね。
 
奥浜さん:広いのと、音楽からの溜めがすごくて。
 
斉藤さん:いや、本当に。あれ、マ・ドンソクの溜めなんですよ。ジャガモンド斉藤さんの溜めじゃないんですよ。僕も一応、斉藤正伸って言いまして、マブリーなんです。(笑)ありがとうございます。マブリーです。よろしくお願いします。
 
奥浜さん:マブリーであり、マブリーを推しているということで今日はお越しいただいています。
 
斉藤さん:そうですね。私は普段、映画紹介人として芸人をやっている傍らYouTubeもやらせていただいています。「シネマンション」という YouTubeチャンネルを3人組でやっています。6年前ですかね、そのチャンネルで初めて映画俳優特集をした時に、一発目に「マブリー特集」を、僕が筆頭にやらさせていただきました。
 
奥浜さん:その時は作品としては主にどの辺を?
 
斉藤さん:まだ3作品ぐらいしか出てなかったんですよ。『新感染 ファイナル・エクスプレス 』(2017)とか。トム・ブラウンのみちお さんもゲストに呼んで、一人一本ずつマブリーの作品を紹介していきました。
僕が『ファイティン! 』(2018)を紹介させていただいて。まだ初期の頃だったので感慨深いです、今回こうやって呼んでいただいて。
 
奥浜さん:そうですよね。今日、横にポスターですが、マブリーがいますから。ここが一番強い席です。
 
斉藤さん:本当ですよ。というか、僕、ポスターの間でいいんですか?すごい心細いというか。(笑)
 
奥浜さん:大丈夫です。
 
斉藤さん:大丈夫ですか?すみません。
 
奥浜さん:早速『悪魔祓い株式会社』の話に移っていきたいんですが、今回、マブリーがオカルトホラーということで、どうでした、映画は?
 
斉藤さん:僕、観る前はてっきり、マブリーが悪魔祓いするもんだと思っていたんですけど。
 
奥浜さん:私もです。
 
斉藤さん:実際は、少女時代のソヒョンが演じるシャロン がすごい頑張っていたっていう。割とその周りを蹴散らすみたいなね。
 
奥浜さん:大事、大事ですよ。あれがないとシャロンはそこに集中できないわけですから。
 
斉藤さん:そうですね。ちゃんと対決して倒すみたいなこともあるので「あ、そう来るのか」みたいな気持ちもあったんですけど。やっぱり筋肉俳優って、映画に出続けると、どこかで人以外と戦わなきゃいけなくなる宿命があるんですよ(笑)。
 
奥浜さん:ありますね。
 
斉藤さん:例えばシュワちゃんだったら、散々人を倒してからプレデターと戦いましたし。(『プレデター』(1987))
 
奥浜さん:人間以上のものと。
 
斉藤さん:そうなんですよ。最近だと、ドウェイン・ジョンソン も人間と戦ってから、巨大な猿と戦うという流れもあったので、マブリーもようやく悪魔と戦うのかと。(笑)
 
奥浜さん:最初にクレジットが出ましたが、「ビッグ・パンチ・ピクチャーズ」というマブリーの会社が制作しています。
 
斉藤さん:そうですよね。
 
奥浜さん:これは彼がやりたかったことですからね。
 
斉藤さん:これがやりたかったんだっていうね。しかも、その会社はロゴの横にビッグパンチが入っています。
『悪魔祓い株式会社』というタイトルですけど、有限会社っぽいなというか。
 
奥浜さん:規模はそうですね。
 
斉藤さん:規模は間違いなく有限会社っぽいですよ。株を公開してなさそうだなっていうのを感じましたけど(笑)。
 
奥浜さん:確かに小規模でしたね。
 
斉藤さん:事務所も、やっと借りれたのかなみたいな感じもありましたけど、そういうところでも色々と楽しめました。
 
奥浜さん:確かに楽しめる要素、この悪魔祓いとか、儀式的なところがちゃんと丁寧に描かれているのがグッとくるポイントでした。
 
斉藤さん:そうですよね。しかも結構ショッキングというか、ギャーって叫びながらやっていますね。今は王道になったジェームズ・ワンの『死霊館』 シリーズのような、ああいうケレン味というか、呪文を唱えながらみたいな感じは、ただ殴って終わりじゃないんだ、というところを出していましたね。
 
奥浜さん:そうですね。『死霊館』シリーズを観ていると、私たちが悪魔祓いをどんどん学んでいくようなシリーズでもあったわけですが、それを補足してくれるような、「こういうステップがありますよ」みたいなのをしっかり文字で出してくれて。
 
斉藤さん:それと、オープニング映像も独特ですよね。色んな悪魔の名前が出てきて、「あ、これからこれを使いますから」みたいな、すごい丁寧な教習所みたいな、なんかそういう作りでしたね。
 
奥浜さん:クイズ「お前は誰だ?」みたいな展開がありますね。
 
斉藤さん:これはお馴染みなんですよ。
 
奥浜さん:やはり悪魔祓いは名前を言わせることがとても大事ですからね。
 
斉藤さん:名前さえ聞いちゃえば倒せるっていうことですもんね。
それこそ『死霊館』だと、ウォーレン夫妻が授業で「三段階で悪魔はやってくる」みたいな講義をするじゃないですか。今回は後半の悪魔祓いの儀式になるところで、6段階ぐらいありましたね。
 
奥浜さん:存在とか声とか休止とかありましたね。
 
斉藤さん:びっくりしました、「休憩挟んでくれるんだ」みたいな(笑)。
 
奥浜さん:『七人の侍』(1954) の上映のように。
 
斉藤さん:インターバルが入りますよね。悪魔って結構親切なんだなみたいな。みんなに水分補給のような時間が入ったので(笑)、そういったシーンもすごく新鮮でしたね。
 
奥浜さん:確かにあのプロセスを丁寧に見せてくれるのは、今までの儀式とか悪魔祓いとかエクソシズムを描いた中でも、ちょっと変わったところかもしれませんね。
 
斉藤さん:そうですね。しかもマブリーの映画って、基本的には『犯罪都市 』(2018)とか色々と傑作がありますけど、基本的には殴って進むっていう映画じゃないですか(笑)。マブリーって強すぎるんで、基本的には殺劇が難しくなってくるというか。要は、ラスボスにいきなり会わせちゃうと、マブリーが勝ってしまう。そこでいかにラスボスと引き離しつつ、どうやって時間をラストまで繋いでいくかが見せる部分ですよね。どう90分を繋いでいくのかみたいな話になりがちなのですが、悪魔がきたら時間は掛かるな、みたいなところは、マブリー映画の殺劇として納得いく作りになっていた気もしますね。
 
奥浜さん:そうですね。その手前に、小ボケとか挟んでくるじゃないですか。
 
斉藤さん:最近のマブリーは自分の可愛さをちょっと自覚し始めていますよね(笑)。
 
奥浜さん:やっぱりそうですよね?
 
斉藤さん:そうですよ。言っていいのか悪いのかわかりませんが、僕はそう思っていますね。「この人いまここの角度を可愛いって分かって(演じて)いるな」(笑)みたいなのが、作品を観ていても結構多くなってきているかな。今回も、初登場シーンが…。覚えてます?あざとさが出ていますよね。さすがのバランスでした。
古典的なお笑いをやっている部分もありましたね。
 
奥浜さん:そうですね。悪魔祓いの映画の中で、ここまでコミカルな作品は少ないですよね。
 
斉藤さん:マブリーじゃないと出来ないですよね。こういう悪魔祓いとアクションというのは確かに新しさもありますけど、親和性が高いというか。物理的じゃないんだけど、ほぼ物理的に倒さなきゃいけないじゃないですか。これって、ジャパニーズホラーだとちょっと違うというか、簡単に祓えるものじゃないんだっていうのがジャパニーズホラーですが、逆に何故今までなかったんだろう?という作品に仕上がっていますよね。ユーモアもあってアクションもあって悪魔祓いもある。親和性高いじゃん!と改めて確認しましたね。
 
奥浜さん:今回の作品ではアクション監督に、これまでマ・ドンソクさんと一緒にやられてきてる、ホ・ミョンヘン さんが入ってるということで、やっぱりそこも大事にしたかったっていうことが見て取れますね。
 
斉藤さん:そう。だから観る前は、もしかしたら悪魔祓いをする時間が多くて、あまりアクションをしなかったらどうしよう、と思っていたんですけど、ちゃんとマブリー流のアクション、ボクシングを活かしたアクションをやっているし、そこにエフェクトを載せるよ、ぐらいのバランスでしたね。CGが過多になってしまうとマブリーのアクションが映えなくなってしまう。その重量感がなくなってしまうのですが、今回は、エフェクトはちょっとだけ、ちょっと煙も出しますぐらいで、全然マブリーのアクションじゃん!でしたね。
 
奥浜さん:それでいうと、ウンソを演じたチョン・ジソ さんとかも、結構しっかり体を使ったフィジカルの演技でしたよね。
 
斉藤さん:いや、本当に。結構みんな大変だったんじゃないかな。トム・クルーズが『ミッション:インポッシブル 』とかやる時に、別にやらなくてもいいのにスタントなしで飛行機やヘリに乗ったりするじゃないですか。ごめんなさい、ちょっと余計なことを言いました(笑)。でも、それをやることによって後輩のヘンリー・カヴィル とかが「俺もノースタントでやんなきゃ」みたいな流れでヘリに乗らなきゃいけない。マブリーが、マ・ドンソク先輩がやるなら、というノリもあるのかな。先輩がやっているなら我々も体を張らなきゃって、そんな気がしますよね。
 
奥浜さん:悪魔が憑いた方までしっかり体を使っています。
 
斉藤さん:やっぱり憑く側の演技力も大事ですから(笑)。素晴らしかったですよね。特にエクソシスト(悪霊を祓う人)は多いですけど、ギャップというか、女性が憑依されてどんな言葉で、どこまで恐ろしくなれるか?みたいなところだと思います。
 
奥浜さん:やはり汚い言葉も飛び出します。
 
斉藤さん:冒頭からそうですけど、記録映像で見せていく、このジャンルの映画では新しいなと。監視カメラとかスマホ映像とか、最近の映画でいうと『search サーチ』(2018)っていう、基本的に、デバイスからの視点で全部構成していく映画がありましたけど、それを彷彿とさせますよね。カメラをずっと持っている、白石晃士映画みたいなキャラクターも登場していました。
 
奥浜さん:最初に1つ入ることによって、その後にどんな映像が出てきても「撮ってるよね」とわかりますね。
 
斉藤さん:最近だと『近畿地方のありえない場所について』(2025)っていう白石さんの作品がありました。あれも劇映画だけど、中に POV 的な、カメラ越しの映像みたいなものを織り交ぜるちょっと変わった形だったじゃないですか。
 
奥浜さん:VHS 映像で「昔のこんなの出てきました」みたいなところで怪奇現象が起きている。
 
斉藤さん:仰る通り。だから今回も、全然顔が違うけど、白石晃士にしか見えなくなってくるっていうか。『怖すぎ』シリーズ、観てるのかなみたいな(笑)。それが「ミックスしてもいいんだ」と、手持ちの荒々しさとか、監視カメラみたいな映像と劇映画が共存できますよ、というように示されてる感じがしましたね。そこにもかなり怖さを感じるじゃないですか。やっぱり、劇映画ではちょっとできない荒々しさと、『パラノーマル・アクティビティ』(2010)のような、なんかここで起きてそういるのかなと、勘ぐってしまう、そんなバランスも見事だったなという気がしますね。
 
奥浜さん:そういう意味では『パラノーマル・アクティビティ』とか『死霊館』とか映像の観せ方も含めて、色々なこれまでのホラーやオカルトから引っ張ってはきたり、音楽の使い方では『死霊館』のような部分もありました。
 
斉藤さん:そっくりじゃんみたいな(笑)。
 
奥浜さん:マブリーがやるっていうところでアクションが入ってくるオリジナリティとか、儀式をしっかり見せていくという個性をちゃんと備えてましたね。
 
斉藤さん:さすが奥浜さん。まとめてくださってありがとうございます。監督が、すごくオカルト好きなんですって。最初にテロップで説明する感じや専門用語を教えますよっていうオタクな感じも湧いてきていていいですよね。割りと今までのホラー映画の文脈から引っ張ってきている要素も多いのですが、マブリーが入るとめちゃくちゃ新鮮に見えましたね。結構もう、これはベタな、何をやってもマブリー大喜利だったら名回答は出る、みたいな感じですよね(笑)。次はちょっと、宇宙にでも行って欲しいなとか。(笑)
 
奥浜さん:悪魔の次に戦うのは何ですかね?
 
斉藤さん:作れるならビッグパンチで作って欲しいですね。企画からマブリーが全部やってるわけですもんね。
 
奥浜さん:やはりセルフプロデュース作品になると自分の見せ方も上手いなと、なります。
 
斉藤さん:本当にそうですよ。だから僕、「MCU」って呼ばせてもらっています(笑)。マ・ドンソクシネマティックユニバースですよ(笑)。だから、色んな人と戦って欲しい。
『犯罪都市』のマブリー、『悪人伝』のマブリー、基本全部マ・ドンソクが色んなバースに行って戦うみたいな映画も観たいです。次は宇宙でエイリアンと、やっぱり観たいですよね。
本当の MCU にも、『エターナルズ』という作品でMCU と MCU が合流して(笑)ちょっとややこしかったですね(笑)。今度は、『ワイルド・スピード』や、『プレデター』にもちょっと合流して欲しいなみたいな気持ちもありますね。この作品はもっと広げて欲しい作品でもあります。
 
奥浜さん:そうですね。この儀式の教則となるような映画でもあるので、オカルトホラーの入り口としても良いかなと思います。
 
斉藤さん:そうですよね。『死霊館』より先にこの作品で、“バラク”とはというところを知っておく。
 
奥浜さん:では、斉藤さん、そろそろお時間のようですので、最後にメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか。
 
斉藤さん:散々喋りましたけど、マブリーの幅というか、どんどん作品ジャンルが広がっていくなっていうのを広がっていくのを感じることが出来る最初の1歩の作品だなというか、ここからどんどん広がっていくんだなと思いました。あと、エピソードゼロ的な部分も、知りたくなる作品ですので、動員が、どれくらいヒットするのかも大事だと、思いますので、ここで観た方も日本公開に合わせてもう一度足を運んでいただけたらなと思っています。
日本を代表して応援を頑張っていきます(笑)。ありがとうございました。

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