©2025 TIFF
10/27オープニング・レッドカーペットでの『万事快調〈オール・グリーンズ〉』チームの皆さん(左から児山 隆監督、吉田美月喜さん(俳優)、南 沙良さん(俳優)、出口夏希さん(俳優)、羽村仁成さん(俳優))
11/1(土)Nippon Cinema Now 部門『万事快調〈オール・グリーンズ〉』上映後、児山 隆(監督) をお迎えし、Q&Aが行われました。
→ 作品詳細
児山 隆監督(以下、監督): 皆さん、本日はよろしくお願いいたします。監督の児山 隆です。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。
司会:八雲ふみね さん(以下八雲さん):遅い時間までたくさんのお客さまが来てくださっていて。
監督: はい、嬉しいです。ありがとうございます、本当に。
八雲さん:今回、2回目の上映なんですよね、この映画祭で。1回目に上映されて、お客さまともこういう感じでQ&Aをされて、手応え的なものってどうでした?
監督: 手応えはわからないです。多分、5年後、10年後ぐらいまでわからないのかもしれないですけど、でも、面白い映画ができたんじゃないかなっていうのはずっと思っていたので。面白いって言ってくれる人がいらっしゃったことに胸を撫で下ろしているという感じです。
八雲さん: 私も一足早く拝見しまして、この映画で描かれていることって、決して快調ではないのに、すごい爽快感がある不思議な映画だなと思いました。自分の青春時代とかも振り返ってみて思うことなんですけれども、予定調和じゃないことほど実は意外と青春なのかな、なんていうことをこの映画を観て感じたんです。監督ご自身は、この作品のどういうところに魅力を感じて、監督を引き受けられたんでしょう?
監督:原作は、本当にむちゃくちゃ面白い原作なので、もしこの映画を観て興味を持ってくださった方がいたら、本当に見ていただけたら嬉しいんですけど。衝動的で、既存の表現みたいなことに対して、反逆心というか、反抗心というか、そういうものを持っているように、当時読んだときに僕は感じたので。そういう危うい、脆い部分を、映画に落とし込むことができたら、きっと面白い映画になるんじゃないかなっていう風に、読んだ時は思っていました。
──Q:キャスティングについてお伺いしたいです。
監督:ありがとうございます。一番最初にキャスティングしようとした時に、朴 秀美っていうラップしている女の子、彼女の役をどうしようかってなった時に、なんとなく南(沙良)さんの名前がキャスティング会議の時に上がりました。それは、朴 秀美をやるとか、やらないとかじゃなくて、南さんってどうですか?みたいな感じになった時に、本当に直感的に、南さんが朴 秀美をできるかもしれないというのは、感覚的にすごく思いました。おっしゃるように、南さんはそういう役 を全然やってこなかったんですけれど、なんでできると思ったのかは、本当に直感的にでした。実際、お話してみても、やったことがない役だったし、チャレンジしたいっていう風に彼女が言ってくれたんです。
あと、(矢口)美流紅役の出口(夏希)さんに関していうと、美流紅(のキャスティング)がむちゃくちゃ難航したんですよ。要は、学園で人気者であるということが大事だったりするので、なんていうんですかね、人気者に見えるような人っていうことがとても重要だったんです。大変な役なので、大体断られまくったんですよ。全然、「万事快調」じゃなかったんですけど。色々行きついて、プロデューサーの岡さんから、「出口さんにちょっと聞いてみないか」と言われて。当時から大人気だったんで、どうせ断られるだろうってみんなで思っていたら、「なんか脚本が面白いんでやります」みたいに言ってくれました。「え、マジ?」みたいな感じで。そんなラッキーが続いたりという感じでしたね。出口さんも、あんまりやったことがないタイプのキャラクターだったからすごく楽しんでやってくれたっていうのは思っています。
──Q:女の子3人がすごく鮮やかに、魅力的に描かれていますが、逆に男性は控えめに描かれています。どのような意図があったのでしょう。
監督:ありがとうございます。本当に嬉しいです。意図して男女のバランスを取ろうみたいなことは全然考えていなくて。とにかくあの3人が集まった時の魅力が、ちょっと強すぎたっていうのがもしかしたらあったのかもしれないですね。
男性陣、羽村(仁成)くんもそうですし、金子(大地)くんもそうだし、黒崎(煌大)くんもそうですけど、本当にみんな魅力的で、本当に僕はどのキャラクターも大好きなんです。3人(南 沙良さん、出口夏希さん、吉田美月喜さん)が集まった時がね、強すぎたっていうのがあるのかもしれないです。これは本当に、僕らが見ていてびっくりした部分でもあったので、その化学反応というか。なので、そういう風に捉えていただけているのは、ありがたいというか嬉しいです。ありがとうございます。
──Q:すごく元気が出る映画でした。こだわったシーンや楽しかったシーンを教えてください。
監督: はい、ありがとうございます。まず、元気になってくれてありがとうございます。嬉しいです、めっちゃ。全体的にこだわっては当然いるのですが、基本的に俳優とカメラの距離というか、極端に寄り添わないようにするというのが、基本的なこの映画で立てていたポリシーだったと思います。なので、極端に寄りすぎないとか、極端に引きすぎないっていうのは、基本的に気をつけていることです。
お気に入りのカットは、ラストカットですかね。あれは光もむちゃくちゃ綺麗だし、カメラワークと出口さんのお芝居も素晴らしいし、もうあんなの撮れないんじゃないかなっていうぐらいすごい好きなカットでした。ありがとうございます。
八雲さん:質問者の方が2回目(の観賞)ですっておっしゃっていて、監督すごいじゃないですか。2回ともご覧くださってる方がいらっしゃって。
監督: 嬉しいです。はい、嬉しいです。
八雲さん: やっぱり中毒性あるんですかね、この映画。
──Q: 「ヒロインが走る」という点で『猿楽町で会いましょう 』と共通していますが、どのような意図が込められているのでしょうか。
監督:あまり考えていなかったかもしれないんですけど、この映画に関していうと、彼女たちが物語に救われている人たちだと僕は思っていて。映画だったり、小説だったり、漫画だったり、既存のそういう物語の中に触れていると、自分が物語の登場人物のように錯覚して、ある種の予定調和の中で生きていくような感覚っていうのがあるような気が僕はしていて。彼女たちが走るっていうのは、彼女たちは映画の中の人物なんですけど、映画の中から自分の現実の世界に行こうとするというか、そういう意志があるというか、そういうことなのかな。わからないです(笑)歯切れが悪くてすみません。かもしれないですね。
八雲さん: 思わぬシーンが、お客さまがどのように捉えてるかっていうのも監督としては面白い部分でもありますか?
監督: ありがたいですね。はい、すみません。はい、ありがとうございます。
──Q:ドキドキハラハラする映画でした。監督が、想像以上だったなと思うシーンはありますか。
監督:ドキドキハラハラしていただいて、ありがとうございます。いろんなシーンで個々人にあるんですけど、それはメインの3人だけじゃなくて、他の人たちもあるんです。あまり派手なシーンではないんですけど、バーベキューのシーンで、みんなで喋っているところがあるじゃないですか。まるまるアドリブなんですよ。1から10までアドリブで。割と引きで長回しをしていたら、みんながもう勝手に話し出して。何ていうんですかね、ある時から、主演の3人が自分の役でちゃんと生き始めて、シチュエーションと状況だけ与えたら勝手に何かをやり始められちゃうっていうような状況になっていったっていうのはすごいことだし、映画を作っていく上でもすごいびっくりしたし、エキサイティングでした。そもそも想定になかったとこだったけど、編集でそういうところが組み込まれていって、より映画が豊かなものに僕はなっていったんじゃないかなっていう風に思っています。改めてその俳優の皆さんの力っていうものの凄さみたいなことを感じたっていうのが、今回の撮影だったかもしれないです。
──Q:素敵な映画をありがとうございました。原作と変えた箇所や原作を忠実に再現した箇所があればお聞きしたいです。
監督:ありがとうございます。いろいろ改変したところはあるんですけど、忠実にしたところは、象徴的なセリフは極力、原作に忠実に残そうと思った部分です。改変というか、原作にない映画オリジナル部分もあります。
八雲さん:どうもありがとうございました。本作品は2026年1月16日金曜日から新宿ピカデリー他 にて全国公開となっております。
では、監督から本日の観客の皆様に一言お願いします。
監督:皆さん、本日はありがとうございました。『万事快調』っていう映画は、本当に僕は面白い映画だと思っていて、関わったスタッフ、キャスト、本当に死に物狂いで駆け抜けて、面白い映画になったと僕は思ってます。この映画は大きい規模の映画ではなくて、中規模の映画です。本当に、宣伝の人も配給の方も皆さん頑張ってくれているんですけど、その規模の映画っていうのは、無情にもあっという間に終わってしまう可能性があるので、本当にこの映画を面白いって思ってくださった方がいらっしゃったら、口コミでも、SNSでも、親でも、弟でも、恋人でも、友達でも、誰でもいいんですけど、面白かったということを、いい熱で伝えていただけたら本当にありがたいです。この映画を好きになってくれた方は、一緒にこの映画を1秒でも長く映画館で上映できるように力を貸してくれたら、本当に嬉しいです。今日はありがとうございました。
©2025 TIFF
10/27オープニング・レッドカーペットでの『万事快調〈オール・グリーンズ〉』チームの皆さん(左から児山 隆監督、吉田美月喜さん(俳優)、南 沙良さん(俳優)、出口夏希さん(俳優)、羽村仁成さん(俳優))
11/1(土)Nippon Cinema Now 部門『万事快調〈オール・グリーンズ〉』上映後、児山 隆(監督) をお迎えし、Q&Aが行われました。
→ 作品詳細
児山 隆監督(以下、監督): 皆さん、本日はよろしくお願いいたします。監督の児山 隆です。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。
司会:八雲ふみね さん(以下八雲さん):遅い時間までたくさんのお客さまが来てくださっていて。
監督: はい、嬉しいです。ありがとうございます、本当に。
八雲さん:今回、2回目の上映なんですよね、この映画祭で。1回目に上映されて、お客さまともこういう感じでQ&Aをされて、手応え的なものってどうでした?
監督: 手応えはわからないです。多分、5年後、10年後ぐらいまでわからないのかもしれないですけど、でも、面白い映画ができたんじゃないかなっていうのはずっと思っていたので。面白いって言ってくれる人がいらっしゃったことに胸を撫で下ろしているという感じです。
八雲さん: 私も一足早く拝見しまして、この映画で描かれていることって、決して快調ではないのに、すごい爽快感がある不思議な映画だなと思いました。自分の青春時代とかも振り返ってみて思うことなんですけれども、予定調和じゃないことほど実は意外と青春なのかな、なんていうことをこの映画を観て感じたんです。監督ご自身は、この作品のどういうところに魅力を感じて、監督を引き受けられたんでしょう?
監督:原作は、本当にむちゃくちゃ面白い原作なので、もしこの映画を観て興味を持ってくださった方がいたら、本当に見ていただけたら嬉しいんですけど。衝動的で、既存の表現みたいなことに対して、反逆心というか、反抗心というか、そういうものを持っているように、当時読んだときに僕は感じたので。そういう危うい、脆い部分を、映画に落とし込むことができたら、きっと面白い映画になるんじゃないかなっていう風に、読んだ時は思っていました。
──Q:キャスティングについてお伺いしたいです。
監督:ありがとうございます。一番最初にキャスティングしようとした時に、朴 秀美っていうラップしている女の子、彼女の役をどうしようかってなった時に、なんとなく南(沙良)さんの名前がキャスティング会議の時に上がりました。それは、朴 秀美をやるとか、やらないとかじゃなくて、南さんってどうですか?みたいな感じになった時に、本当に直感的に、南さんが朴 秀美をできるかもしれないというのは、感覚的にすごく思いました。おっしゃるように、南さんはそういう役 を全然やってこなかったんですけれど、なんでできると思ったのかは、本当に直感的にでした。実際、お話してみても、やったことがない役だったし、チャレンジしたいっていう風に彼女が言ってくれたんです。
あと、(矢口)美流紅役の出口(夏希)さんに関していうと、美流紅(のキャスティング)がむちゃくちゃ難航したんですよ。要は、学園で人気者であるということが大事だったりするので、なんていうんですかね、人気者に見えるような人っていうことがとても重要だったんです。大変な役なので、大体断られまくったんですよ。全然、「万事快調」じゃなかったんですけど。色々行きついて、プロデューサーの岡さんから、「出口さんにちょっと聞いてみないか」と言われて。当時から大人気だったんで、どうせ断られるだろうってみんなで思っていたら、「なんか脚本が面白いんでやります」みたいに言ってくれました。「え、マジ?」みたいな感じで。そんなラッキーが続いたりという感じでしたね。出口さんも、あんまりやったことがないタイプのキャラクターだったからすごく楽しんでやってくれたっていうのは思っています。
──Q:女の子3人がすごく鮮やかに、魅力的に描かれていますが、逆に男性は控えめに描かれています。どのような意図があったのでしょう。
監督:ありがとうございます。本当に嬉しいです。意図して男女のバランスを取ろうみたいなことは全然考えていなくて。とにかくあの3人が集まった時の魅力が、ちょっと強すぎたっていうのがもしかしたらあったのかもしれないですね。
男性陣、羽村(仁成)くんもそうですし、金子(大地)くんもそうだし、黒崎(煌大)くんもそうですけど、本当にみんな魅力的で、本当に僕はどのキャラクターも大好きなんです。3人(南 沙良さん、出口夏希さん、吉田美月喜さん)が集まった時がね、強すぎたっていうのがあるのかもしれないです。これは本当に、僕らが見ていてびっくりした部分でもあったので、その化学反応というか。なので、そういう風に捉えていただけているのは、ありがたいというか嬉しいです。ありがとうございます。
──Q:すごく元気が出る映画でした。こだわったシーンや楽しかったシーンを教えてください。
監督: はい、ありがとうございます。まず、元気になってくれてありがとうございます。嬉しいです、めっちゃ。全体的にこだわっては当然いるのですが、基本的に俳優とカメラの距離というか、極端に寄り添わないようにするというのが、基本的なこの映画で立てていたポリシーだったと思います。なので、極端に寄りすぎないとか、極端に引きすぎないっていうのは、基本的に気をつけていることです。
お気に入りのカットは、ラストカットですかね。あれは光もむちゃくちゃ綺麗だし、カメラワークと出口さんのお芝居も素晴らしいし、もうあんなの撮れないんじゃないかなっていうぐらいすごい好きなカットでした。ありがとうございます。
八雲さん:質問者の方が2回目(の観賞)ですっておっしゃっていて、監督すごいじゃないですか。2回ともご覧くださってる方がいらっしゃって。
監督: 嬉しいです。はい、嬉しいです。
八雲さん: やっぱり中毒性あるんですかね、この映画。
──Q: 「ヒロインが走る」という点で『猿楽町で会いましょう 』と共通していますが、どのような意図が込められているのでしょうか。
監督:あまり考えていなかったかもしれないんですけど、この映画に関していうと、彼女たちが物語に救われている人たちだと僕は思っていて。映画だったり、小説だったり、漫画だったり、既存のそういう物語の中に触れていると、自分が物語の登場人物のように錯覚して、ある種の予定調和の中で生きていくような感覚っていうのがあるような気が僕はしていて。彼女たちが走るっていうのは、彼女たちは映画の中の人物なんですけど、映画の中から自分の現実の世界に行こうとするというか、そういう意志があるというか、そういうことなのかな。わからないです(笑)歯切れが悪くてすみません。かもしれないですね。
八雲さん: 思わぬシーンが、お客さまがどのように捉えてるかっていうのも監督としては面白い部分でもありますか?
監督: ありがたいですね。はい、すみません。はい、ありがとうございます。
──Q:ドキドキハラハラする映画でした。監督が、想像以上だったなと思うシーンはありますか。
監督:ドキドキハラハラしていただいて、ありがとうございます。いろんなシーンで個々人にあるんですけど、それはメインの3人だけじゃなくて、他の人たちもあるんです。あまり派手なシーンではないんですけど、バーベキューのシーンで、みんなで喋っているところがあるじゃないですか。まるまるアドリブなんですよ。1から10までアドリブで。割と引きで長回しをしていたら、みんながもう勝手に話し出して。何ていうんですかね、ある時から、主演の3人が自分の役でちゃんと生き始めて、シチュエーションと状況だけ与えたら勝手に何かをやり始められちゃうっていうような状況になっていったっていうのはすごいことだし、映画を作っていく上でもすごいびっくりしたし、エキサイティングでした。そもそも想定になかったとこだったけど、編集でそういうところが組み込まれていって、より映画が豊かなものに僕はなっていったんじゃないかなっていう風に思っています。改めてその俳優の皆さんの力っていうものの凄さみたいなことを感じたっていうのが、今回の撮影だったかもしれないです。
──Q:素敵な映画をありがとうございました。原作と変えた箇所や原作を忠実に再現した箇所があればお聞きしたいです。
監督:ありがとうございます。いろいろ改変したところはあるんですけど、忠実にしたところは、象徴的なセリフは極力、原作に忠実に残そうと思った部分です。改変というか、原作にない映画オリジナル部分もあります。
八雲さん:どうもありがとうございました。本作品は2026年1月16日金曜日から新宿ピカデリー他 にて全国公開となっております。
では、監督から本日の観客の皆様に一言お願いします。
監督:皆さん、本日はありがとうございました。『万事快調』っていう映画は、本当に僕は面白い映画だと思っていて、関わったスタッフ、キャスト、本当に死に物狂いで駆け抜けて、面白い映画になったと僕は思ってます。この映画は大きい規模の映画ではなくて、中規模の映画です。本当に、宣伝の人も配給の方も皆さん頑張ってくれているんですけど、その規模の映画っていうのは、無情にもあっという間に終わってしまう可能性があるので、本当にこの映画を面白いって思ってくださった方がいらっしゃったら、口コミでも、SNSでも、親でも、弟でも、恋人でも、友達でも、誰でもいいんですけど、面白かったということを、いい熱で伝えていただけたら本当にありがたいです。この映画を好きになってくれた方は、一緒にこの映画を1秒でも長く映画館で上映できるように力を貸してくれたら、本当に嬉しいです。今日はありがとうございました。